指標、クリック率、コンバージョン率を正しく読む
数え方、母数、観測期間を確認し、異なる定義を混同しないようにします。
割合を読む前に三つ確認する
割合には、何を数えた分子か、何を母数にしたか、どの範囲で計算したかの三点が必要です。同じコンバージョン率でも、アクティブユーザーに対する達成人数と、ページ閲覧後の一定期間内の達成人数では意味が違います。名前だけでは比較できません。
AI に指標を説明させるときは、単位、母数、条件も求めます。「何パーセント改善した」という回答だけなら、何と比較したのかを確認してから理由を考えます。
訪問、人数、イベント回数を区別する
訪問数はセッション、ユーザー数は範囲内で重複を除いたユーザー、PV はページ閲覧回数です。イベント回数は同じ人の反復も含みます。新規訪問率は、新規の訪問セッションが全訪問セッションに占める割合で、全員のうち初めて来た人の割合ではありません。
各数値が一致する必要はありません。一人が複数回訪問し、複数のボタンを押せば、単位ごとの数値は変わります。重複を除いた人数とイベント総回数の差を、そのまま計測漏れと判断しないでください。
ページと要素のクリック率では母数が異なる
ページクリック率=クリック回数÷PVです。「クリックがあった閲覧の割合」ではありません。1回の閲覧で複数回押せるため、1,000 PVに1,500クリックなら150%になります。100%を超えることだけでは誤りといえませんが、意図しない重複送信は確認します。
要素クリック率=その要素のクリック回数÷その要素の露出PVです。露出はページの最深スクロール位置が要素の位置まで達した閲覧を数え、ユーザー人数ではありません。例えば露出200 PV、クリック30回なら15%です。ページ全体のPVを母数にした率と混ぜず、要素の設定・計測範囲も確認してください。
目標データは起点と観測期間を確認する
| 分析 | 分子/母数と観測範囲 |
|---|---|
| サイト流入 | 選択期間内の目標達成ユーザー数÷同期間にセッション開始(session_start)があるユーザー数。同じグループ・フィルターで重複を除いて数えます。ページ閲覧を起点とした順序や、起点から1日以内という条件はありません。 |
| ページ | 対象ページを見た後、同じユーザーが1日以内に目標を達成した人数÷対象ページを見たユーザー数。起点となる閲覧を選択期間から取得します。 |
| 要素 | 対象要素をクリックした後、同じユーザーが1日以内に目標を達成した人数÷その要素をクリックしたユーザー数。起点となるクリックを選択期間から取得します。 |
ページと要素の1日は24時間(86,400秒)です。目標は起点より後、かつ24時間後までを数え、翌日0時までという意味ではありません。起点が期間末尾なら、その後の目標が選択期間を越える場合もあります。
例えば、ある要素をクリックしたユーザーが40人、そのクリック後24時間以内に目標を達成した人が6人なら要素の目標率は15%です。同じ人の複数クリックを40人に重ねて数えません。サイト流入、ページ、要素では母数と起点が異なるため、率の違いだけで計測誤りと判断しないでください。
空欄、ゼロ、時間単位を混同しない
ゼロはその定義で件数がゼロという意味です。空欄や利用不可は、対象外、母数がない、計算条件を満たさない状態の場合があります。自動でゼロに置き換えず、目標作成前の欠測もゼロ達成と扱わないでください。
| 元のデータ項目 | 単位 |
|---|---|
| サイト流入の平均セッション時間:avg_session_duration | ミリ秒(ms) |
| ページの平均滞在時間:avgPageDuration | 秒 |
| ファネルの平均経過時間:avg_from_prev_sec / avg_from_first_sec | 秒。最初の段階は該当時間がなく空欄になる場合があります。 |
この表は元の分析データの単位です。画面が「分:秒」などに整形している場合は表示単位を使い、もう一度1,000で割らないでください。元データの60,000 msを秒へ直すなら60秒です。ページ滞在時間とセッション全体の時間は、単位をそろえても異なる指標です。
説明には元の件数も添える
報告には達成人数、母数、割合、期間、条件を一緒に示します。少量のデータによる大きな変化は、その規模も明記し、安定した傾向として扱いません。前期との差では、パーセントポイントと相対変化も区別します。
異常に見える値は、定義、フィルター、期間、反復行動を確認してから事業上の理由を考えます。クリック増加は探索にも迷いにもなり得ます。指標は高ければよいのではなく、目的とユーザー体験に照らして判断します。